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簡易的調性判定法

調性を知る必要性
譜面上から長音階を見つける簡単な方法


調性を知る必要性

普段私たちが楽しんでる音楽は、そのほとんどが十二平均律という調律で作られています。この十二平均律というのは1オクターブを均等な間隔で12等分したものです。

この12個の音を”隣りの音”、あるいは”一つ飛ばした音”を選んでつなげて使うことにより音階(scale:スケール)が作られています。(※二つ以上飛ばすこともあります。)

音階といえばまず”長音階”と”短音階”という音階が思い浮かぶと思います。しかし、音階というのはこれだけではなく他にもたくさんあります。

でも、この長音階短音階というのは他のスケールとは違う特別なものとされています。それは始まりと終わりを明確に感じることが出来るということです。

ピアノなどで”ドレミファソラシド”と弾くと終わった感じがして落ち着きますが”レミファソラシドレ”では終わった感じがしないと思います。”ラシドレミファソラ”も一応終わった感じがしますが”シドレミファソラシ”では終わった感じがしない。

そこで明るい感じがする”ドレミファソラシド”の方を”長音階(Major scale)”、暗い感じのする”ラシドレミファソラ”を”短音階(Minor scale)”と呼ぶことになりました。

この長音階を基に作られる楽曲を”長調(Major)の曲”短音階を基に作られる楽曲を”短調(Minor)の曲”と呼んでいます。

テレビの歌番組やCMなどで私たちが普段よく耳にする”いい曲だなぁ”と思ったりする音楽などは、ほぼすべてこの2つのどちらかに分けることができるといってもいいでしょう。

何故なら長音階と短音階を基にした曲は「始まり、展開、終わり」といったストーリー性を感じさせることができ、起承転結など劇的な表現も可能でそれで人々の感動を誘うことができるからです。

他のスケールで出来た曲は、例えば不安、コミカルさなどのある一つの場面を効果的にかもし出すことは出来ても起承転結のようなストーリー性のある展開は出来ません(難しい)。

それは感覚的なことで何故そういう風に聞こえるのかは誰にも分かりません。人間の感覚とは不思議です。

演奏をする上でまず楽譜を見たとき始めにしなくてはいけないことがあります。それはその楽曲の調性を知ることです。調性を知るということとは、簡単に言うと”ドレミファソラシド”を見つけることです。

なぜ見つけないといけないかというと、そのことにより「始まり、展開、終わり」を意識することができより表現の幅を大きくできるし、それによってより良く効果的な演奏ができるようになるからです。

といっても、実は与えられた譜面を演奏するだけなら知らなくても演奏はできます(そういう人もいます・・・)。しかし、移調したり作曲したり自分で能動的に音楽をしようとするのなら必須です。

私は長年譜面と向き合っていて今では譜面をみた瞬間にそれが何調かとすぐ判るようになっています。しかし、そんな私も楽譜を読めるようになったのは中2からでそれまではまったく読めませんでした。

その頃は、もちろん何調と判定するのはかなり苦労した覚えがあります。この作業も楽譜に苦手意識をもつ人を生む要因になっていると思います。

大事なのは暗記することではなく譜面から導き出すことが出来るようになることなのです。その繰り返しでいずれ見ただけで判るようになるはずです。







譜面上から長音階を見つける簡単な方法

それでは実際にその譜面上にある”ドレミファソラシド”を見つけ出す簡単な方法を紹介したいと思います。

(ここでは長調か短調かの判断までは説明しません。長音階さえ見つけられればいずれすぐ分かることと思いますので。まずは”ドレミファソラシド”を見つけましょう!)

ピアノの鍵盤上では長音階の”ドレミファソラシド”というのはこのような並び方で出来ています。
Cmajor
"全音+全音+半音+全音+全音+全音+半音"
という具合になっています。

当たり前すぎて気づきにくいかも知れませんが、7個の白鍵盤と5個の黒鍵盤の妙な並び方は長音階(短音階)を基としているのです。白鍵盤だけを押せば長音階(自然短音階)が弾けます。

12個全部同じ大きさの白鍵盤だけだと片手で和音を弾くのも難しくなるし、どこがどの音か判らなくなると思います。白鍵盤と黒鍵盤の大きさを変え位置もずらすことによって弾きやすく視覚的にも判りやすくなるわけです。

長音階は鍵盤の白いところだけを使うのならばすぐに見つけられます。しかし、これはどうでしょうか?
F#major
ファ#から始まっていますがこれも長音階です。

要するに、鍵盤の12の音のどこからでも”全音+全音+半音+全音+全音+全音+半音”という並び方で弾けば”ドレミファソラシド”を作れるということです。

長音階をそのまま平行にずらすイメージですね。このことを利用して調を変える、すなわち”移調”をするということが可能になるわけです。

なぜ移調などをする必要があるのかというと、一つは楽器や歌い手によって出せる音域や一番良く聞こえる音域がそれぞれ違っていて、それに合うように調節する必要があるということです。

例えば、カラオケで伴奏に合わせて歌うと自分の声域では歌いにくい場合にキーを上げたり下げたりすることがあると思いますが、これも自分の声域に合うように移調させているわけです。

また、管楽器など実音で演奏するよりも管のもつ倍音の基音(トランペットならB♭)を”ド”としたほうが吹きやすかったりする楽器もあります。トランペットの場合なら全音分平行に音を上げて楽譜を書いたりする必要があります。

そして、どんな調でも実音ではなくその調の”ドレミファソラシド”、いわゆる”移動ド”で読むときも必要です。移動ドで楽譜を読むことは音符の音楽的な役割を理解するために大切なことです。

さて、本題の譜面から簡単に”ドレミファソラシド”を見つける方法です。
まずは「シャープの」「フラットのファと呪文のように覚えておきましょう。これをどう使うか説明します。
まず、調号が何もない場合は前章で説明したようにト音記号の書き始めが””となります。
さて、ト音記号の右側にシャープが1つある場合ですがこのときあの呪文「シャープのを思い出します。シャープのあるところが””となります。

この譜面ではファ#となります。そして半音上がったがその譜面のとなるわけです。ソ(G)から始まる長音階なのでト長調(G Major scale)となります。
次にフラットが1つある場合です。

この譜面ではシ♭ファになります。そこから半音、全音、全音と下がっていったファがこの譜面のとなるわけです。ファ(F)から始まる長音階なのでヘ長調(F Major scale)となります。

文字にするとちょっとややこしい感じですがこの方法であれば譜面からドレミファソラシドを導き出せます。

もう少しやってみましょう。
調号が2つ以上ある場合は一番右側で判定します。

フラットが2つある場合はミ♭が”ファ”となりシ♭が””となります。変ロ長調(B♭Major scale)となります。(変というのは♭という意味です。シャープのときは嬰が付きます。)

じつは、♭が2つ以上ある場合は右から2番目のフラットにあたる音が””になるのでそのほうが見つけやすいかもしれません。
この場合、シ♭が””と一発で判定できます。

そうするとフラットが4つあるときは、上図のように見つけることが出来ます。

長音階は”ラ♭・シ♭・ド・レ♭・ミ♭・ファ・ソ・ラ♭”となります。A♭Major scaleです。(わたくし普段RockやJazzをやっているので変イ長調などとはまず口にすることはありません。やっぱり和名はとっつきにくいっすねぇ・・・^ ^;)

シャープももう少し。
これはA Major Scaleでメジャースケールは”ラ・シ・ド#・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ”です。調号のあるところは調号を付けて読むことを忘れないでください(♭の時も)。
シャープが5個あってももう判りますね。ラ#が””でスケールは”シ・ド#・レ#・ミ・ファ#・ソ#・ラ#・シ”。そうB Major Scale

他の調ももう大丈夫ですよね?

暗記をせずとも「シャープの」「フラットのファの呪文を思い出せばもう大丈夫です。ヘ音記号のときも同様に導くことができます。

誤解しないでもらいたいのは、『「シャープのシ」だからそこにシャープをおこう!』となったわけではありません(笑)。たまたまそうなったと言えます。

調号の現れ方には規則性があり、たまたまこういう考え方もできるわけです。詳しくしりたい方は楽典などを参照してください(次章で私的な解説もしております)。

あと、長調と短調の区別の仕方ですが簡単に言えば、”明るい曲
”なら長調、”暗い曲”なら短調の可能性が高いとだけ言っておきます(ホントニ簡易的・・・^^;)。

詳しくは楽典に載ってると思います。”ドレミファソラシド”さえ見つけられたらもうすぐそこですよ!


入門者からしてみれば、「調号の数が増えれば何だか難しく感じるし、なんでわざわざ読みにくくするのだろう?」とか思ってしまうでしょう。しかし、慣れてしまえばそれはただ単に音階がどの音から始まっているかを示しているだけに過ぎないのです。

ショパンなどのピアノ曲などはフラットやシャープが3つ4つ付く曲が多く見られますが、べつに故意に難解にしようとしているわけではありません。むしろ、黒鍵を利用した方が弾きやすくなるのでその調を選んだと考えていいと思います。

例えば、有名な『幻想即興曲』はcis mollで#が4つ付いてますが、移調して一見読みやすそうな調号のないイ短調で弾こうとする場合の方が平べったく白鍵を使わざるを得ないため逆に弾きにくくて難易度は上がると思います。



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